飛騨高山は、岐阜県北部に位置する歴史と文化が息づく美しい町です。

「日本の小京都」とも呼ばれる高山は、江戸時代の風情が残る古い町並み、豪華な高山祭、そして飛騨牛をはじめとする絶品グルメで、多くの観光客を魅了しています。

初めて訪れる方が安心して旅を楽しめるよう、この記事では飛騨高山へのアクセス方法を詳しく解説します。

飛騨高山へのアクセス方法一覧

電車でのアクセス

電車は、快適で景色も楽しめる移動手段です。以下の2つの主要ルートがあります。

1. 名古屋経由
   名古屋駅からJR特急「ワイドビューひだ」に乗車し、約2時間半で高山駅に到着します。名古屋までは東京や大阪から東海道新幹線でアクセス可能です。
   • 所要時間（東京発）: 約4時間半
   • 所要時間（大阪発）: 約3時間半
   • 料金: 東京から約16,000円、大阪から約10,000円
2. 富山経由
   北陸新幹線で富山駅にアクセスし、そこから特急「ひだ」で高山へ向かいます。富山からの所要時間は約1時間半です。
   • 所要時間（東京発）: 約4時間
   • 料金: 約15,000円

高速バスでのアクセス

高速バスは、手頃な価格で移動したい方におすすめです。主要都市から直行便が運行されています。

• 新宿（東京）から:
  • 所要時間: 約5時間半
  • 料金: 片道6,000～7,000円
  • 運行会社: 京王バス、濃飛バス
• 大阪から:
  • 所要時間: 約5時間
  • 料金: 片道5,000～6,000円
  • 運行会社: 阪急バス、濃飛バス
• 名古屋から:
  • 所要時間: 約2時間半
  • 料金: 片道3,000円前後
  • 運行会社: 名鉄バス、濃飛バス

車でのアクセス

車は移動の自由度が高く、途中で観光スポットに立ち寄ることもできます。

• 東京から:
  中央自動車道 → 松本IC → 国道158号線 → 高山
  • 所要時間: 約5時間
• 名古屋から:
  名神高速道路 → 東海北陸自動車道 → 飛騨清見IC → 高山IC
  • 所要時間: 約2時間
• 大阪から:
  名神高速道路 → 東海北陸自動車道 → 飛騨清見IC → 高山IC
  • 所要時間: 約4時間半

飛行機でのアクセス

飛騨高山に空港はありませんが、最寄りの空港からアクセスすることも可能です。

• 中部国際空港（セントレア）から:
  名鉄電車で名古屋駅へ（約40分）、そこから特急「ひだ」で高山へ（約2時間半）。
  • 総所要時間: 約3時間半
• 富山空港から:
  バスで富山駅へ（約25分）、そこから特急「ひだ」で高山へ（約1時間半）。
  • 総所要時間: 約2時間半

季節や時間帯の注意点

飛騨高山は春夏秋冬それぞれに異なる表情を見せる美しい観光地です。

しかし、季節や時間帯によって移動や観光が制約を受ける場合もあります。

快適な旅を楽しむために知っておきたい注意点を詳しく解説します。

1. 冬季（12月～3月）の注意点

冬の飛騨高山は、一面の雪景色が広がり、幻想的な風景が楽しめます。

一方で、積雪や路面凍結といった冬特有の状況により、移動が難しくなることがあります。

• 車で訪れる場合
  • 高速道路や山道では、雪や凍結の影響でチェーン規制がかかることがあります。必ず冬用タイヤを装着し、チェーンも携帯しましょう。
  • 特に夜間や早朝は気温が下がり、路面が凍結しやすくなるため運転には十分注意が必要です。
  • 駐車場も積雪がある場合が多く、事前に使える場所を確認しておきましょう。

• 公共交通機関の利用
  • 電車やバスの運行に影響が出る可能性があります。大雪や悪天候時は遅延や運休が発生する場合があるため、出発前に運行状況を確認しましょう。
  • バスを利用する際は、予約済みの便が運行中止となった場合の代替手段をあらかじめ調べておくと安心です。

• 防寒対策
  • 高山の冬は非常に冷え込み、最低気温が氷点下になる日も珍しくありません。暖かい服装で訪れ、防寒グッズ（手袋、マフラー、カイロなど）を用意しましょう。

2. 春（3月～5月）の注意点

春の高山は桜や新緑が美しく、多くの観光客が訪れる時期です。

ただし、朝晩は冷え込むことがあるため、服装に注意が必要です。

• 服装
  • 昼間は暖かくなりますが、朝晩はまだ冷え込むため、薄手のダウンジャケットやセーターを用意すると快適です。
  • 特に3月下旬までは残雪がある場合があり、歩きやすい靴を履くのがおすすめです。

• 観光スポットの混雑
  • 春休みやゴールデンウィーク期間中は特に混雑します。宿泊施設や観光列車の予約は早めに行いましょう。
  • 桜の名所である「宮川朝市」や「城山公園」周辺は、昼間の時間帯に非常に混雑するため、早朝の訪問が快適です。

3. 夏（6月～8月）の注意点

夏の高山は比較的涼しく、避暑地としても人気です。

ただし、梅雨やお盆休みの影響を受けるため、天候や混雑に注意が必要です。

• 梅雨（6月～7月中旬）
  • この時期は雨が多いため、折りたたみ傘やレインコートを持参しましょう。
  • 足元が濡れやすいので、滑りにくい靴を履くのがおすすめです。

• お盆期間の混雑
  • 夏休み期間中やお盆は観光客が増え、宿泊施設や飲食店が満席になる場合があります。特に古い町並みや高山陣屋周辺は混雑するため、午前中の早い時間帯に訪れると快適です。

• 虫対策
  • 山間部での散策を予定している場合は、虫よけスプレーや長袖を用意すると安心です。

4. 秋（9月～11月）の注意

紅葉が美しい秋の高山は、観光客にとって非常に人気の高い季節です。

特に10月の高山祭や紅葉シーズンは混雑が予想されます。

• 高山祭（10月9日・10日）
  • 秋の高山祭は、日本三大美祭の一つで、多くの観光客が訪れます。祭り当日は周辺道路が混雑し、交通規制がかかる場合もあります。電車やバスを利用する場合は、早めの予約をおすすめします。
  • 宿泊施設は数か月前から予約が埋まるため、早めの計画が必須です。

• 紅葉シーズン（10月中旬～11月中旬）
  • 紅葉の名所として知られる「飛騨の里」や「城山公園」は、土日や祝日に非常に混雑します。平日に訪れると、ゆったりと観光を楽しめます。

• 服装
  • 朝晩は気温が下がり冷え込むため、薄手のジャケットやカーディガンを持参すると快適です。

高山駅からの移動手段

飛騨高山は、観光名所が比較的コンパクトにまとまっており、徒歩や自転車、バスを使って効率的に移動できます。高山駅到着後のおすすめ移動手段について詳しく解説します。

1. 徒歩

高山駅から主要観光スポットへは徒歩でアクセス可能です。

駅から古い町並みや高山陣屋までの距離は約1km程度で、10～15分ほど歩けば到着します。

徒歩移動のメリットは、町の雰囲気をじっくり味わえることです。

• 古い町並み
  • 高山駅を出て国分寺通りをまっすぐ進むと、「古い町並み」が見えてきます。江戸時代から続く建物が立ち並び、飛騨の歴史を感じられるエリアです。途中には地元のカフェやお土産店も点在しており、散策そのものが楽しめます。

• 高山陣屋
  • 駅から徒歩約10分の場所にある高山陣屋は、江戸時代に建設された幕府の役所で、歴史好きには外せないスポットです。広々とした敷地内を散策しながら、当時の生活や文化を学べます。

• 宮川朝市
  • 徒歩約12分でアクセス可能な宮川沿いの朝市は、地元の新鮮な野菜や工芸品が並ぶ活気あるマーケットです。散策がてら立ち寄るのにぴったりの場所です。

徒歩での移動の注意点:

• 冬季は雪道になるため、滑りにくい靴を履いてください。
• 観光スポットを巡る際は歩く時間が長くなるので、歩きやすい服装と靴を選びましょう。

2. レンタサイクル

町内を効率的に回りたい方には、レンタサイクルが便利です。高山駅周辺にはいくつかのレンタサイクルスポットがあり、電動アシスト付き自転車も借りられるため、坂道の多い地域でも快適に移動できます。

• 利用できる場所:
  • 高山駅周辺には、観光案内所やレンタサイクル専門店があり、自転車を借りることができます。例えば、「花川レンタサイクル」は高山駅から徒歩約4分の場所にあり、高山散策に便利なレンタサイクルを提供しています。また、「ハラサイクル」も高山駅近くに位置し、レンタサイクルサービスを行っています。

料金の目安:

• 通常の自転車: 半日1,000円～1,500円
• 電動アシスト自転車: 半日2,000円～3,000円

• おすすめルート:
  • 古い町並みエリア巡り:
    自転車なら、古い町並みを抜けて周辺の神社や庭園までスムーズにアクセス可能です。
  • 飛騨の里や郊外エリア:
    高山駅から飛騨の里までは約2.5km、自転車で15分ほどの距離です。自然豊かな道を楽しみながら行けるのでおすすめです。

レンタサイクルの注意点:

• 冬季は道路が滑りやすくなるため、レンタサイクルはあまり推奨されません。
• 自転車を停められる場所が限られている場合があるので、駐輪場を確認してから利用しましょう。

おすすめのモデルプラン

1泊2日プラン（東京発）

1日目:

1. 朝、新幹線で名古屋へ出発
   • 東京駅から東海道新幹線に乗り、名古屋駅へ向かいます。所要時間は約1時間40分です。早朝の新幹線を利用すれば、午前中の特急「ひだ」に乗り継ぎが可能です。
2. 名古屋駅から特急「ワイドビューひだ」で高山へ
   • 名古屋駅からJR特急「ひだ」に乗車します。所要時間は約2時間30分で、車窓には美しい山々の景色が広がります。到着時刻は12時頃を目安に。
3. 高山到着後、古い町並みを散策
   • 駅から徒歩約10分で「古い町並み」に到着します。江戸時代の趣が残る建物が並び、散策を楽しめます。土産物店や和菓子屋、工芸品店を巡りながら飛騨の伝統を感じられるエリアです。
4. 高山陣屋を訪問
   • 高山陣屋は江戸幕府が設置した役所の遺構で、現在は博物館として公開されています。歴史好きには必見のスポットで、見学所要時間は約1時間です。
5. 夜は飛騨牛ディナー
   • 高山での夕食はぜひ飛騨牛料理を堪能しましょう。ステーキやしゃぶしゃぶ、すき焼きが楽しめる「飛騨牛御膳」などが人気です。駅周辺や古い町並み近くに多くのレストランがあります。おすすめは「味の与平」や「京や」などの有名店です。

2日目:

1. 朝、飛騨の里を見学
   • 高山の中心地から濃飛バスで約10分の場所にある「飛騨の里」は、合掌造りの建物を移築して再現した野外博物館です。春は桜、秋は紅葉、冬は雪景色と、季節ごとの美しさを楽しむことができます。所要時間は約1時間半です。
2. 昼、高山ラーメンを堪能
   • 高山を訪れたら名物の高山ラーメンを味わいましょう。しょうゆベースのあっさりスープが特徴で、「麺屋しらかわ」や「まさごそば」などが人気店です。ランチタイムに訪れるのがおすすめです。
3. 午後、特急「ひだ」で名古屋へ戻り、帰路へ
   • 午後2時～3時頃の「ひだ」に乗車し、名古屋へ戻ります。名古屋駅でお土産を購入して新幹線に乗り換えれば、夕方～夜には東京へ到着します。

日帰りプラン（名古屋発）

朝8時 名古屋駅発

• 名鉄バスセンターまたはJR名古屋駅から、特急「ひだ」または高速バスで高山へ向かいます。高速バスなら約2時間30分、電車なら約2時間です。

10時半 高山到着 → 古い町並み散策

• 高山駅に到着後、まずは「古い町並み」を散策します。10時半から約1時間半かけて、江戸時代の雰囲気が色濃く残るエリアを満喫しましょう。観光客向けの土産物店や飛騨の伝統工芸品を扱う店舗も点在しています。

昼食: 飛騨牛コロッケと高山ラーメン

• 昼食は高山の名物を楽しむ絶好の機会です。「飛騨牛コロッケ」は食べ歩きにぴったりで、「牛まん」も試してみる価値があります。その後、「高山ラーメン」を提供する有名店でランチタイムを楽しんでください。

午後1時半 濃飛バスセンターから帰路へ

• 午後早めにバスに乗車し、名古屋に戻ります。夕方4時頃には到着するため、名古屋での観光やショッピングも可能です。

よくある質問

Q. 電車とバスどちらがおすすめですか？
A. 料金を抑えたいならバス、快適さと速さを求めるなら電車が最適です。

Q. 駅周辺に荷物を預ける場所はありますか？
A. 高山駅にはコインロッカーが設置されています。また、観光案内所でも手荷物預かりサービスがあります。

Q. 冬でも車で訪れることは可能ですか？
A. はい。ただし、冬用タイヤやチェーンが必須です。また、天候によっては公共交通機関を利用する方が安全です。

まとめ

飛騨高山は、どのアクセス方法を選んでも比較的訪れやすい観光地です。

快適な旅を楽しむために、目的や予算に合った移動手段を計画してください。

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